プロジェクトテーマの解析表

整理番号 pr002
企画担当者 伊東隆志
研究の名称 テーラーメイド・リスクコミュニケーションツールの開発
研究の概要 一般の市民を対象に、各個人が抱いている化学物質に対する不安の内容及びその強さを共通の尺度で評価し、それぞれのランクへ位置づけ、そのランクに応じた情報提供ツールをweb上に公開する。人々はそのツールを使ってそれぞれが化学物質のリスクの現状について理解することによって、社会全体のリスクリテラシーの向上を図る。
研究の目的 持続可能型社会を構築するためには、徹底的に資源の無駄使いを排除しなければならない。今日の社会に於ける最も大きな資源の無駄使いは、「人の健康に危害を与える恐れのある物質を排除する」との大義名分の下に行われている過剰な安全対策である。この過剰安全対策を排除するためには、きちんとリスクを評価し、適確なリスク管理を行うとともに、その結果について、人々が心から安心して暮らせる状態になっていると認識して貰えることが根幹で、そのためのリスクコミュニケーションツールを開発する。
構成する
技術要素
・人々が抱くそれぞれの不安を共通尺度で評価する手法の開発
・化学への関心を喚起する化学ゲームの開発
・化学品安全オントロジーに基づく情報提供システムの構築
・化学品リスク管理オントロジーに基づく情報提供システムの構築
・化学品管理に関する討論のための電子公共空間の提供
研究の背景
及び動向
最近のBSE騒動や鳥インフルエンザ騒動等で見られるように、本質的には人の健康に大きな悪影響を与えない危険要因に対して、「食の安全に対する予防原則」の美名の下に大量の食肉用家畜が焼却又は穴埋め処分されている。その背景には、現在のリスク管理が科学的な根拠に基づいた安全の確保に留まっているため、例え万全な安全対策を実施したとしても、人々が、心から安心して暮らせる状態にあると容認してはくれない。そこに、人々に安心をもたらすリスクコミュニケーションツール開発の必要性が生ずる。なお、原子力安全に関しても同様の試みがなされ、平成13〜17年の5年間にわたり、安全のための社会技術に関する「社会技術研究ミッションプログラム」の下で特別研究課題「原子力安全システムの総合設計」が進められて来た。
研究の特徴 ・各個人を対象にしたリスクコミュニケーションツールの提供は初めて
・各個人が個別に抱く不安を共通の尺度で評価することは初めての挑戦
・ツールをweb上に公開し各自が自主的にリテラシーの向上を図る試みは初めて
期待効果 本プロジェクトの到達目標を「人々が筋の通った判断が出来る状態になる」に置く。すなわち、本ツールを使って化学物質のリスクについて理解したとしても、その結果、全ての人が「現状の化学物質の管理状態が安心できるレベルにある」と判断することを、必ずしも求めてはいない。それよりは、寧ろ、マスコミの間違った報道に振り回され、感情的に反対を訴える状況が無くなれば良しとする。

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