技術内容の詳細

整理番号 st016
テーマ名 バクテリアを利用した貴金属、レアメタルの回収方法
研究担当者
及び連絡先
小西 康裕:大阪府立大学 工学研究科 物質・化学系専攻 教授
連絡先:大阪府大 産学官連携コーディネーター 森本進治
     E-mail:morimotos@iao.osakafu-u.ac.jp
研究の概要 未利用の低品位金属資源(酸化鉱)に対して還元バクテリア処理を行い、レアメタル(ニッケル、コバルト)を高速・高効率で浸出させるとともに、貴金属(白金)を浸出残渣に濃縮させる。例えば、希薄溶液(195mg/L)中のPt(W)イオンをバイオ還元・析出させる場合、操作は30分と短時間であり、細菌表面に析出する白金は固液分離が容易である。
特願 2005-278021:金属回収方法
開発の目的 貴金属やレアメタルは需要が拡大しており、しかも資源の枯渇と言う問題を抱えている。そのため、人工鉱物では焼却残渣などの固体廃棄物やプリント基盤の浸出処理液などからのリサイクル、天然鉱物では排他的経済水域内の深海底鉱物が有望な金属資源となっている。いずれの場合も低品位の鉱物資源であり、このような希薄溶液からの高速・高効率な分離・回収技術の確立が求められている。
構成する
技術要素
嫌気性還元細菌(Shewanella algae)は、乳酸などの有機酸を酸化する際に生じる電子を利用して、Fe(V)をFe(U)に変換する還元力を持つ。この還元力を利用して金属酸化物を溶解させる。しかも、この細菌は白金を体表面に析出する機能を持っており、白金の希薄溶液から容易に固体分離できる。
研究の背景及び動向 既に実用化されている有用金属回収法では、未利用の低品位金属資源は想定外の低含有率のため、経済性の面で成り立たない。一方、低コスト・低環境負荷型の技術として、ある種のバクテリアの酸化力を利用する”バイオ精錬”はあるが、処理速度が非常に低く、しかも金属酸化物には適用出来ないなどの問題があり、広く利用されるまでには至っていない。
適用可能な
用途
1.未利用低品位金属資源からの金属の回収
2.排他的経済水域内の深海底鉱物資源への適用
3.貴金属ナノ粒子の合成・生産が可能
市場での
優位性
1.従来に比べて処理速度を大幅に向上させたバイオ浸出法。
2.従来は銅や亜鉛などベースメタルの硫化鉱物に限られていたが、酸化物の処理が出来、しかもレアメタルを浸出・回収出来る。
3.低濃度レベル貴金属の濃縮・回収が達成できる。
実用化への
課題
・ある種の還元バクテリアでの可能性を確認したに留まっており、バクテリアの選定や反応操作の最適化は未解決。
・今後、培養の経済性と還元力の両面から、さらに優れたバクテリアを選定し、高効率化を図る。
・反応工学的な観点から、バクテリアの機能が最大限発揮される環境条件、反応器の形式・操作方法を確立する。

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