技術内容の詳細

整理番号 st044
テーマ名 難溶性薬剤の性能改善のための新規水溶性誘導体の合成と薬効評価
研究担当者
及び連絡先
根本 尚夫:徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 准教授
連絡先:四国TLO 技術移転部  安田 崇
 E-mail:yasuda@s-tlo.co.jp
研究の概要 抗高脂血症薬であるフェノフィブラートに分岐型グリセロールを付加して高水溶性化した。この物は化学修飾しても活性は変わらないばかりでなく、同モルの薬剤を投与した場合に比べ、投与4時間後に於いて血中濃度が約5倍高くなっていた。このことは水溶化によってフェノフィブラートの吸収が促進されたためと解釈する。
JST主催地域発技術シーズ発表会(2007.11.27.)で発表
開発の目的 医薬品には難水溶性の物が多く、服用時に多くの問題を抱えている。この問題を解決するため、既存の難水溶性の医薬品をそのまま簡便に水溶性に変える技術を開発する。
構成する
技術要素
分岐型グリセロールの特長
・中性の水酸基利用で水溶化するので、既存利用(イオン利用)に比べて溶解度がpHに依存しなくなった。
・極性の高い水酸基を利用するので、既存利用(PEG)に比べ、少ない繰り返しで高い水溶性を発揮する。
・不斉炭素が無いので、既存技術(配糖利用や直鎖グリセリン)に比べ、類似物(異性体)の分離の手間が無く、活性試験コストと時間が大幅に節約できる。
・簡便に大量合成できる。
研究の背景
及び動向
一般には難水溶性の医薬品が多い。そのため注射液の製品化が困難で、その対策として界面活性剤を混ぜて可溶化しているが、活性剤による副作用や、泡を入れない注射液の調製が難しいと言う問題があった。他方、飲み薬の場合でも、腸の吸収が悪いため、微粉末化したり、過剰投与(残りは排泄)が一般的になされていた。
適用可能な
用途
・難水溶性の多くの医薬品を改善できる。
市場での
優位性
・既存の技術や医薬品をそのまま活かせる。
・新医薬品を始めから水溶性にデザインできる。
実用化への
課題
・今回のフェノフィブラートに関しては分岐型グリセロールを付加しても薬効の低下や毒性の発現が見られなかったが、それだけで全ての難水溶性の医薬品が問題ないとは断言できない。改善しようとする医薬品について個別の試験が必要。

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