技術内容の詳細

整理番号 st045
テーマ名 温度に応答して体内でヒドロゲルを形成する生分解性ポリマー
研究担当者
及び連絡先
大矢 裕一:関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 准教授
連絡先:関西大学社会連携推進本部 産学官連携・知財センター 柴山耕三郎
 E-mail:shibayama@jm.kansai-u.ac.jp
研究の概要 その溶液が室温ではゾル(液体)状態で、体内に打ち込むと即座に力学的強度の高いゲルを形成し、無毒な成分に加水分解する生分解性インジェクタブルポリマーを合成した。得られたゲル内部には細胞や薬物が封入可能であり、ドラッグデリバリーシステムや再生医療に応用できる。
JST主催新技術説明会(関西大学;2008.03.25.)で発表
開発の目的 インジェクタブルポリマーとして望まれる性能
・室温と体温の間にゾル-ゲル転移温度を有する
・ゾル状態での低い粘性(注射が容易)
・ゲル状態での高い力学的強度(数千〜数十万Pa)
・迅速なゲル化(数十秒〜数分)
・良好な生体適合性
・望ましい分解速度(1〜数週間)
・分解物の安全性(体内代謝可能)
構成する
技術要素
8本に分岐したPEGにポリ乳酸を結合し、さらにその末端にコレステロール基を結合した構造のポリマーは、32℃でゾル-ゲル転移を起し、しかも貯蔵弾性率(37℃)が5,200Paと言う高い弾性率を示した。
研究の背景
及び動向
室温ではゾル(溶液)であって、注射などで体内へ注入すると投与部位で即座にゲル化するインジェクタブルポリマーは、ドラッグデリバリーシステムや再生医療用の細胞の足場としての応用が期待できる。この様な性質を持ったポリマーとしては、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール・ABAトリブロック共重合体(商品名プルロニック)があるが、この商品は非生分解性であり、また、ポリエチレングリコール・脂肪族ポリエステル・ABAトリブロック共重合体は、生分解性はあるがゲル状態での力学的強度が低い(37℃での貯蔵弾性率が数十Pa)などの問題を抱えている。
適用可能な
用途
・薬物を内包し徐々に放出する低侵襲なインジェクタブルドラッグデリバリーシステム
・細胞や細胞増殖因子を内包しインジェクタブルな組織再生用足場
・噴霧することで膜状になる癒着防止材
市場での
優位性
・体温に応答して即座に力学的強度の高いゲルを形成する
・生体内で無毒な成分に加水分解される
・細胞親和性を有しており内部で細胞増殖が可能
実用化への
課題
・水溶性薬物徐放デバイス
  薬物放出をさらに長期化させる。&タンパク質などの変性を検討する必要がある。
・再生医療用足場材
  細胞は医薬品としての承認が難しい。&細胞増殖因子だけで有効なことを示す。
・癒着防止材
  動物実験モデルの作成と性能評価。

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