技術内容の詳細

整理番号 st046
テーマ名 水素ガスバリア性の高い粘土膜プラスチック複合材料
研究担当者
及び連絡先
米本 浩一:九州工業大学大学院工学研究院 機械知能工学研究系 教授
連絡先:九州工業大学 産学連携推進センター 客員教授 安東 静
 E-mail:ando@ccr.kyutech.ac.jp
研究の概要 粘土膜「クレーストTM」と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を積層することにより、従来の樹脂に比べて非常に優れた水素ガスバリア性及び耐久性を有する水素タンク用複合材料を開発した。
JST主催新技術説明会(九州工業大学;2008.11.28.)で発表
開発の目的 将来の完全再使用型宇宙輸送システムには液体水素は燃料として必須であり、それを運搬する燃料タンクの開発が必要。だがスペースシャトル計画では既に複合材製の液体水素タンクの開発に失敗しており、優れた水素ガスバリア性と耐熱性を併せ持つ新規な材料の開発が求められていた。
構成する
技術要素
・厚さ約1nmの層状粘土結晶を同じ向きに配向させて重ねた緻密構造
・膨潤性粘土90重量%、有機系バインダー10重量%の粘土膜
・粘土膜とCFRPとのサンドイッチ積層
特願2007-292659 ガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック並びにそれらの製造方法
研究の背景
及び動向
・従来のエンジニアリングプラスチックのガスバリア性能の向上は、フィラーとしての層状の珪酸塩(粘土)を添加していたが、その効果は認められたものの、プラスチック自体の成形性が悪くなるため添加量に限界があった。
・粘土を逆に主材料とした厚さ数10μmの独立膜にすると、飛躍的にガスバリア性と耐熱性とが向上することを発見した。
適用可能な
用途
・水素ガスタンク
   水素ステーション用水素貯蓄容器
   燃料電池車用水素ガスタンク
   水素自動車用液体水素タンク
市場での
優位性
・ライナーの課題
 水素ガスタンクはアルミ合金の金属あるいはガスバリア性のある樹脂製ライナーに、樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けて耐圧強度を上げた構造になっているものが多い。そのライナーとして金属を用いた場合は水素ガスの漏洩を完全に遮断することは出来るが、疲労寿命で劣るためにメッキ処理を必要とするなど高コストである。そのため樹脂ライナー製のタンクの実用化が望まれているが、樹脂ライナーは水素バリア性が悪く、その実用化に向けて大きな研究課題になっていた。
実用化への
課題
・設計データの蓄積
   粘土膜単体での機械特性試験
   水素バリア性能に関する要素試験
・試作開発と実用化評価
   小型水素タンクの試作
   水素燃料配管の試作

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